兆候と理解

スタンフォード大学研究から学ぶ、40代・60代の身体の変化

🌼ようこそ🌼
「KOKORO保健室」のWebマガジンへ
・・━✧━・・・・━✧━・・・・━✧━・・・・━✧━・・
こんにちは。

本日は訪れてくれて、ありがとうございます!

筆者について

私は、公認心理師の下地まいこと申します。
オンラインカウンセリングルーム『KOKORO保健室』を運営しています。

特に、30代後半から50代の女性が直面する心の揺らぎや人生の岐路「ミッドライフクライシス(中年期危機)」を専門としています。

📍プロフィールは【こちら】です。
📍【note】も、やってます!😉💖

「40代に入って急激に身体が変わった気がする」「60代を目前に心が落ち着かない」─
そんな声をカウンセリングでもよく耳にします。

スタンフォード大学の最新研究によると、人間の老化はゆるやかに進むのではなく、“2つの波”としてやってくるそうです。

40代と60代、この2つの時期に、身体の中で分子レベルの大きな変化が起きているのです。

今回はその研究内容を、専門用語を使わずにわかりやすくご紹介します。
そして、この「老化の波」をどう受け止め、どう付き合っていけばいいのかを一緒に考えてみたいと思います。

・・━✧━・・・・━✧━・・・・━✧━・・・・━✧━・・

老化は「坂道」ではなく「波」だった

これまで「老化」は、年を取るごとに少しずつ下っていく“坂道”のようなものと考えられてきました。

しかし、スタンフォード大学の研究チームが25〜75歳の男女108人を数年間追跡したところ、身体の中の分子たちは一定のスピードではなく、“ある時期に急激に変化する”ことが分かったのです。

つまり、老化は「じわじわ進む」ものではなく、「ある時にぐっと進む」。
その変化の波が人生の中で2度、はっきりと訪れるというのです。

特に変化が集中していたのが、
🔹40代半ば(およそ44歳)
🔹60代前半(およそ60歳)

この2つの時期に、血液、代謝、免疫、腸内環境など、身体のあらゆるシステムが大きく動いていました。

・・━✧━・・・・━✧━・・・・━✧━・・・・━✧━・・

第1の波:40代に訪れる「見た目と代謝の変化」

40代に入ると急激に、「疲れやすくなった」「肌のハリが落ちた」「お酒が残るようになった」と感じませんか?

研究によると、この時期には脂質代謝やアルコール代謝、そして心臓や血管の働きに関わる分子が大きく変化します。

つまり、見た目の衰えや身体のだるさは、単なる気のせいではなく、“身体の設計図”が少しずつ書き換わっているサインなのです。

まさにこの頃、ミッドライフクライシス(中年の危機)を感じる女性が増えるのも納得ですよね。

身体の変化が心の揺らぎを呼び、これまでの生き方を見直すきっかけにもなります。

「変わってしまった私」ではなく、「変わりつつある私」を受け入れることが、この波をやさしく乗り越える第一歩です。

・・━✧━・・・・━✧━・・・・━✧━・・・・━✧━・・

第2の波:60代に訪れる「免疫と心の変化」

60代前後では、免疫・糖代謝・腎機能などの働きが大きく変化します。
いわゆる「生活習慣病」や「慢性炎症」と呼ばれる不調が出やすくなるのもこの頃です。
一見、身体のトラブルのように思えますが、実はそれも“再編成”のプロセス。

この時期の体は、「頑張る」から「整える」へとモードを切り替えようとしています。
無理に若い頃のペースを維持しようとするよりも、「ちょうどいい」を探す生き方が、健康にも心にも良い影響をもたらします。

そして、この波では心にも穏やかな変化が訪れます。
これまで外に向いていた意識が、少しずつ内側に向かい、「これからの人生をどう過ごしたいか」「何を大切にして生きたいか」─そんな問いが自然に浮かんでくる時期です。

まさに、“第2の人生”を始めるための再構築期。

この波はあなたに、「これからを自由に描いていいんだよ」と教えてくれているのかもしれません。

波に抗うより、「波を感じて調整する」

研究者たちはこの結果を「老化の波」と名づけました。
波に逆らって泳ぐよりも、波のリズムを知り、自分のペースで乗ることが大切です。

たとえば─

💫40代は「リズムを整える」時期(睡眠・運動・食生活を見直す)
💫60代は「やわらかく整える」時期(無理をせず、免疫と心をいたわる)

波を恐れず、「あ、今は大きな変化の時期なんだ!」と受け止めるだけでも、
心の余裕が生まれ、セルフケアの力が自然と高まります。

どんな波も、知っていれば怖くありません。波を恐れず、「あ、今は大きな変化の時期なんだ!」と受け止めるだけでも、心の余裕が生まれます。

ゆっくり、変わっていく私へ

40代や60代の変化を、「もう若くないから」と片づけてしまわないでください。

身体が変わるのは、けして悪いことではありません。長い時間を生きてきた分だけ、身体があなたの生き方に合わせて形を変えているのです。

少し疲れやすくなったり、気持ちの浮き沈みが増えたりするのは、身体が「いまのあなたに合うリズム」を探しているから。

うまくいかない日があっても、それも自然なことです。

誰でも年を重ねるたびに、身体も心も少しずつ変わっていきます。
大切なのは、その変化に気づいて、自分を責めないこと。
いまのあなたをそのまま大事にしてあげてください。

いま揺れているあなたは、ちゃんと生きています。
無理に元に戻ろうとしなくて大丈夫。
🌸変化の中で、自分にやさしくできる人が、いちばん強いのです🌸

🧾出典

Shen, X. et al. (2024). Nonlinear dynamics of multi-omics profiles during human aging.
Nature Aging, 4, 1619–1634. Stanford University School of Medicine.
DOI: 10.1038/s43587-024-00692-2

・・━✧━・・・・━✧━・・・・━✧━・・・・━✧━・・

筆者あとがき📚

私自身のことを言えば、30代後半から明らかに身体の変化を感じるようになりました。健康診断では血糖値が上がり、食後の強い眠気やだるさにも悩むようになりました。

仕事や子育てに追われ、仕事中(教員時代)は、休憩時間もほとんどなく、疲れが少しずつ積み重なっていたのだと思います。
20代や30代前半のころには当たり前にできていたことが、ある日ふと「できなくなっている」と気づいた瞬間がありました。

悩むことも、人生について考えることも、新しいことに挑戦することも、どれもエネルギーがいる─そんな当たり前のことを、40代になってようやく実感しています。

キャリアを変えること、暮らし方を変えること、どれも勇気と時間のかかることです。
でも、少しずつでも行動に移すことが、何よりの前進です!

このブログを読んでくださっているあなたも、きっと人生の折り返し地点で立ち止まり、「これからの自分」を思い描いているのではないでしょうか。

焦らなくて大丈夫。
できるところから、一歩ずつ動いていきましょう。
身体も心も、ちゃんとついてきてくれますから🍀

・・━✧━・・・・━✧━・・・・━✧━・・・・━✧━・・

あなたの「私らしい」道を、KOKORO保健室で。

ミッドライフクライシスに悩む女性に向けて、「KOKORO保健室」ではマンツーマンの心理カウンセリングを行っています。

病院へ行くほどでもないけれど、ずっと1人で悩み続けている。しっかり話を聞いてほしい…そんな方へ向けての、オンラインカウンセリングルームです。

まずは、お気軽にメッセージくださいね。

♦︎♦︎KOKORO保健室の詳細・ご予約はこちらから

友だち追加
ABOUT ME
下地まいこ
オンラインカウンセリングルーム 『KOKORO保健室』を運営しています。