心の健康

ミッドライフクライシスと「執着の手放し」

ミッドライフクライシス解消に向けてのオンラインカウンセリングルーム「KOKORO保健室」のブログへようこそー

こんにちは。当ブログを訪れてくださり、ありがとうございます。

私は、公認心理師の下地まいこと申します。オンラインカウンセリングルーム『KOKORO保健室』を運営しています。特に、30代後半から50代の女性が直面する心の揺らぎや人生の岐路に寄り添うことを得意としています。中でも「ミッドライフクライシス(中年期危機)」に特化したサポートを行っています。

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📍最近、【note】はじめました!😉💖

小さな喪失からの気づき

最近、お気に入りの傘が見当たらなくなりました。 買ったばかりの、気に入っていた傘。

心当たりの場所を探しても、どこにもない……。 どんどん焦り、心の中は「せっかく買ったばかりなのに」「また探しに行くのも面倒」と、ぐるぐる思考に。本気で3日間くらい落ち込み、ずっと傘のことばかりを考えていました。

でも、ふと「もう新しいのを買おう」「今度は、もっと大切にしよう」と半ば諦めたとき、何気なく車の奥を見たら…ありました😅あっけないほど、簡単に見つかったのです。

そのとき私は、自分がどれだけ傘に執着していたかに気づきました。 そして、力を緩めたときにふっと状況が自然に展開しはじめることもあるのだと、改めて実感しました。

「執着」とは何か?

「執着」とは、コントロールしたいという強い思いの裏返しです。

「こうあるべき」「こうなってほしい」と、思えば思うほど、現実がうまくいかないときの苦しさが増していきます。

しかし、力を抜いて、少し手放したときに…思わぬ形で、状況が変化していることがあるのです。

【ある相談者さまのケース】お姑さんとの関係

ある女性の相談者さまは、長年お姑さんとの関係に悩んでいました。会うたびに、ひどいことを言われ傷つき、そのストレスが夫婦関係にも影響し始めていました。

「どうしてあんな言い方をされなきゃいけないのか…」
「私は悪くないのに、なんでこんなに我慢しないといけないのか…」

そう思えば思うほど、心が重くなり、日常の全てがつらく感じられるようになっていきました。

カウンセリングを通して、彼女は少しずつ、自分がどれほどお姑さんの言動に執着していたかに気づいていきました。 「相手を変えたい」「許せない」という思いが、逆に自分自身を苦しめていることに、客観的に気づけたのです。

そして、「まずは自分の心を軽くしてみよう!」と、意識的に距離をとることに。具体的にどうしたらよいのかも一緒に考えていきました。 夫とも話し合い、「もういいよ、少し放っておこう」という方針に切り替えた結果、驚くほど心が軽くなったそうです。

彼女は、状況を放置したわけではありません。 ただ、「なんとかしなきゃ」という手を少し緩めたのです。

「執着」を手放す‐5つのたとえ話‐

悩みの中にいるとき、私たちは「どうにかしなきゃ」と気持ちを固くしてしまいがちです。
でも実は、力を抜いて“待つ”ことの中にこそ、回復や変化の芽が潜んでいるのかもしれません。「手放す」ことの大切さを、日常にある5つのたとえで紐解いてみます。

🎈たとえ話①『風船と風』(緩める力)

風船をギュッと握っていると、風に乗れません。でも少し手を緩めると、風船は自然に空へと浮かび始めます。

●執着とは、ギュッと握った手。
〇手放しとは、信頼して力を緩めること。

✅風(=現実)は、その軽さに反応して、望む方向へ導いてくれることがあるのです。

🍵たとえ話②『お茶の香り』(じんわり染み出す力)

お茶も、熱湯で急いで抽出しようとすると渋みばかりが出ます。 でも、少し時間と温度を調整して「待つ」と、ふわっと香りが立ちのぼります。

●執着は「早く色が出ろ!」と茶葉を押しつぶしてしまうこと。
〇手放しは、「今、じんわり出てる最中」と信じて待つこと。

✅心の中も同じで、焦って無理に答えを出そうとするより、少し置いておくことで、自然な気づきや解決が湧き上がるのです。

🌱たとえ話③『植物の成長』(待つ力)

植物は、毎日「早く伸びろ」と声をかけても、急には伸びません。 でも、日差しと水、そして時間があれば、必ず育ちます。

●執着は「早く咲いて!」と毎日無理に土を掘ってしまうこと。
〇手放しは、「ちゃんと育っている」と信じて見守ること。

✅人間関係も、気持ちの整理も、無理に引っ張らずに「信じて待つ」ことが大切なのかもしれません。

🌊たとえ話④『川の流れ』(力を抜く)

川の水は、石にぶつかっても留まらず、流れていきます。 執着して止まるのではなく、流れるように受け入れていくと、風景に出会えることもあります。

●執着は、流れに逆らって必死に泳ぐこと。
〇手放しは「今この流れも必要かも」と信じて、少し力を緩めてみること。

✅執着して止まるのではなく、流れるように受け入れていくと、思い通りにならない出来事も、やがては人生の風景の一部になるのです。

🎼たとえ話⑤音楽のリズムのたとえ(間と余白)

音楽は、音だけではなく、「間(ま)」があるから美しいんです。
音を詰め込みすぎると、聞いている方もしんどくなってしまう。

●執着は、すべての瞬間に音を鳴らそうとすること。
〇手放しは、「間」も信じて、静けさを受け入れること。

✅静けさの中で、ようやく本当に響かせたい音が、自分の内側から自然に浮かび上がってきます。

中年期の心を軽くする考え方

40代、50代は、「何とかしなきゃ」という気持ちが強くなる時期です。 家族、仕事、老後、親のこと、自分の人生─全てが重なって、心の中がパンパンになります。

でも、そんなときこそ大切なのは、「いったん放置する力(ネガティブ・ケイパビリティ)」かもしれません。

『ネガティブ・ケイパビリティ』答えの出ない事態に耐える力

・無理に答えを出さない
・少し物理的・心理的な距離を取る
・信頼して一度流れに任せる

▶️【おススメの本】

執着を手放し、答えのない事態に耐えていると、「気にしなくなった頃に解決する」「新しい見方ができる」ことが起こったりします。

今日、少しだけ力をゆるめて

手放すことは、投げ出すことではありません。

力を緩め、信頼して手を開いたとき、心の奥で本当に大切にしたいものが、かたちを変えて、ふさわしいタイミングで人生に現れてくることがあります。

今日は、ほんの少しだけ、肩の力を抜いて過ごしてみませんか😊?

『KOKORO保健室』では、ミッドライフ(中年期)を迎える女性が、今ここにある「わたし」を大切にしながら、しなやかに人生を歩んでいけるよう、心のサポートを行っています。

焦りや不安、モヤモヤをひとりで抱え込まずに、
少しずつ言葉にしながら、ご自身の「本当の気持ち」と向き合ってみませんか?

ご相談はオンラインで可能です。
詳しくはホームページ、公式LINEからお気軽にどうぞ。

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