心の健康

【心理師が解説】中年期女性の外見コンプレックスを乗り越える心の磨き方

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こんにちは。

本日は訪れてくれて、ありがとうございます!

筆者について

私は、公認心理師の下地まいこと申します。
オンラインカウンセリングルーム『KOKORO保健室』を運営しています。

特に、30代後半から50代の女性が直面する心の揺らぎや人生の岐路「ミッドライフクライシス(中年期危機)」を専門としています。

📍プロフィールは【こちら】です。
📍【note】も、やってます!😉💖

「最近、こんな心の声に耳を傾けていませんか?」

友人朝、鏡に映る自分を見て、ため息が出てしまう…

SNSで目にする「理想の姿」と、つい自分を比べてしまう…

年齢を重ねるごとに変化する外見に、戸惑いや不安を感じる…

「私なんて…」と、外見のことで自信を失ってしまうことがある…

そんな風に心が揺れ動く朝を過ごしているのは、きっとあなただけではありません。

「見た目ばかり気にしても仕方ない」と頭では理解していても、なかなか割り切れない。
「あの頃の自分と比べてしまう」そんな気持ち、深~く共感いたします。

実は、こうした感情は、現代を生きる30代後半から50代の女性の多くが抱える、ごく自然な心の動きなのです。

今回のWebマガジンでは、心理学の視点から、その「外見コンプレックス」の根源を探り、あなた本来の輝きを内側から引き出すためのヒントをお伝えします。

どうぞコーヒーでも片手に、ゆっくりとお読みください😊☕

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1, 「鏡を見るのが辛い朝」の正体
〜ボディイメージの心理学〜


「また自分を責めちゃった…」と、鏡の中の自分にため息をついていませんか?

なぜ私たちは、自分の外見に対してこんなにも悩んでしまうのでしょうか?
実は、これにはちゃんとした心理学的な理由があるんです。

心理学でいう「ボディイメージ」とは、私たちが自分自身の身体をどう認識し、どう感じ、どう考えているかという、心の中の「身体の姿」のこと。

これは、単に見た目だけでなく、私たちの自尊心や自己概念全体に深く関わっています。

そして、このボディイメージは、社会や文化の影響を強く受けて形成されます。

♦︎「外見至上主義(ルッキズム)」の影

社会では、美しいとされる人が優遇され、そうでない人が差別される「ルッキズム」という考え方が根強く存在します。

これが、私たちの自己評価を下げ、能力や人格よりも見た目が重視される風潮を生み出してしまうのです。

♦︎SNSが作り出す「偽りの理想」

雑誌やSNSでは、しばしば非現実的な「完璧な」女性像が提示されます 。キラキラ輝く友人やインフルエンサーの投稿を見るたびに、「私なんて全然ダメ」と、無意識のうちに自分を責めてしまうことはありませんか?

SNSで目にするのは、多くの場合、入念に選ばれ、加工された「理想の姿」です。
それは、現実の日常のすべてを映し出しているわけではありません。その裏には、私たちと同じように様々な苦労や葛藤があることを忘れてしまいがちです。 

日本の若い女性を対象とした研究では、SNSの利用時間が長いほど、理想とする体型がより細くなる傾向があることも示唆されています 。これは、SNSが私たちの「理想の私」を歪めてしまう可能性があることを意味します。

ネガティブなボディイメージは、社会活動を避けたり、慢性的な自己批判に陥ったり、摂食障害や心身の不調につながることもあります。

「自分は劣っている」と感じることで、自信を失い、孤独感や不安が増大し、心理的なストレスを抱えやすくなるのです。

2, 人生の「午後」中年期女性の心理的背景


30代後半から50代の女性は、人生の大きな転換期を迎えます。

心理学者のユングは、この中年期を「人生の正午」と表現しました。太陽が正午を過ぎると徐々に輝きを失うように、この時期は自己の再評価と再構築を迫られる大切な時。

いわゆる「ミッドライフクライシス(中年期危機)」です。

ミッドライフは「人生の正午」ーミッドライフクライシス解消に向けてのオンラインカウンセリングルーム「KOKORO保健室」のブログへようこそー 「中年期は〝人生の...

この時期に、外見コンプレックスがより深刻に感じられるのは、いくつかの要因が複雑に絡み合っているからです。

♦︎ライフサイクルの変化と新たな問い

平均寿命が延び、育児にかかる時間が短縮された現代女性は、子育てが一段落する頃に「ここから先、どう生きようか」という新たな問いに直面します。

♦︎多様な選択肢と「もしも…」思考

結婚、出産、仕事…女性の生き方は多様で、どの道を選んでも「本当にこれでよかったのだろうか」と後悔したり、将来への不安を感じたりしやすくなります。

♦︎人間関係の変化

子供の自立(空の巣症候群)や夫婦関係の変化、そして親の老いや死といった経験は、自分の存在価値を見失わせたり、人生の有限性を自覚させ、焦りや不安を増大させることがあります。

♦︎更年期と身体の変化

そして、この時期は女性ホルモンの急激な低下を伴う「更年期」と重なります 。ほてり、のぼせ、発汗といった身体症状だけでなく、イライラ、不安感、不眠、抑うつといった精神症状も現れ、心身に大きな影響を与えます。

これらの変化が重なることで、外見に対する不安やコンプレックスがより一層、心に重くのしかかってくるのです。

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「鏡を見るのが辛い朝」から「私、最高!」の朝へ
〜3つの心の磨き方〜


苦しい外見コンプレックスと上手に付き合い、内側から輝く自分を取り戻すための具体的な方法を3つご紹介しますね。

✨心のレッスン1,自分を「私らしく」愛する心の磨き方
〜セルフ・コンパッション〜

まずは、ありのままの自分を受け入れるセルフ・コンパッション(自己受容)の心を育むことから始めましょう。

自己受容とは、自分の「ダメな部分」や「できない部分」も含めて、ありのままの自分を受け入れること。自分に嘘をついて「できる」と思い込む「自己肯定」とは違い、「できない自分」を認めた上で、前に進んでいく姿勢です。

自己受容ができるようになると、自己肯定感も自然と高まります。

そして、自分自身に優しさや思いやりを向ける「セルフ・コンパッション」を実践してみましょう。私たちは他者には優しいのに、自分には厳しくなりがちですよね…。

セルフ・コンパッションは、そんな時に心の健康を守り、回復力を高める大切な心のあり方です。

セルフ・コンパッションには、3つの要素があります。

セルフ・コンパッションを高める具体的な実践方法

♦︎ジャーナリング(書く瞑想)で心の整理

5〜10分間、思いついたことをそのまま書き出してみましょう。

💡普段口に出せないネガティブな感情を吐き出すことで、心がスッキリし、自分を受け入れやすくなります。

♦︎「自分への手紙」で思いやりを育む

過去や経験について、何もかもを受け入れてくれる親しい友人になった気持ちで自分に手紙を書き、最後に読み返してみてください。

💡自分への思いやりを感じ、自信やポジティブなマインドを育むことができます。

♦︎小さな成功を積み重ねる

「今日はいつもより5分早く起きられた」「苦手なことに挑戦できた」など、どんなに小さなことでも、できた自分を認め、褒めてあげましょう。

💡小さな達成感を積み重ねることで、自信がつき、自己受容が深まります。

1人で難しい場合は、カウンセリングなどの専門的サポートを活用するのも有効です 。

✨心のレッスン2,内側から輝く「私」を育む
〜包括的な美とセルフケア〜

外見の美しさだけでなく、心と身体の健康、そして精神性までを含んだ、より包括的な「美」の捉え方があることをご存知でしょうか?

これは、内面からのケアこそが真の輝きにつながるという視点です。

♦︎「ボディポジティブ」と「ボディニュートラル」の視点

「ボディポジティブ」

自分の身体を大切にし、自信を持つ/ありのままの体型や「欠点」と認識される部分さえも受け入れ、身体を楽しむ視点

「ボディニュートラル」

自分の身体の外見に焦点を当てるのではなく、身体が持つ機能や能力に感謝し、その役割を重視する視点

💡例えば、「私の手は、年齢とともにしわが増えてきたけれど、大切な人を抱きしめたり、美味しい料理を作ったりできるから素晴らしい」というように、身体の機能に価値を見出す考え方です。

どちらの視点も、外見にとらわれず、ありのままの自分を愛し、受け入れることの大切さを教えてくれます。これにより、自己価値を外見に依存させず、内側から揺るぎない自信を育むことができるのです。

♦︎デジタルデトックスで心をリセット

SNSなどで非現実的な美の基準に触れる機会が多い現代。一定期間デジタル機器から意識的に離れる「デジタルデトックス」は、ストレス軽減に効果的です。

スマホ依存を感じている人がデジタルデトックスを実践した結果、精神的な不安の軽減や、デジタル機器に縛られない解放感を実感できたという報告もあります。   

デジタルな刺激から距離を置き、自身の身体感覚や周囲の環境に意識を向ける時間を取り戻してみませんか?

♦︎感謝の習慣で心のフィルターを育てる

毎日の生活の中で、感謝できることを見つける習慣を持ってみませんか?
ある研究によると、感謝できることを毎日考える習慣を持つ人は、幸福感が高まり、人に対して優しくなり、睡眠の質も向上したと報告されています。

「今日も健康に動いてくれた私の身体にありがとう」「美味しい食事ができたことにありがとう」など、日常の当たり前のことや、自身の身体に感謝する習慣は、自己肯定感を高める強力なツールです。

✨心のレッスン3,「私」の人生の主導権を取り戻す〜境界線の設定と自己決定~

他人と比較したり、外見に振り回されたりする状態から抜け出すためには、「私」の人生の主導権を自分自身に取り戻すことが大切です。

♦︎「心理的境界線(バウンダリー)」を引く勇気

心理的境界線とは、他者と自分との間に引く「心の線引き」のこと。これが曖昧だと、他者の意見や期待に振り回され、自分らしさを見失いがちです。

例えば、相手が果たすべき責任を自分が肩代わりしない「責任のバウンダリー」や、相手の感情に過度に巻き込まれない「感情のバウンダリー」などがあります。

健全な境界線を引くことで、自分の人生の主導権を取り戻し、能動的な人間関係を築くことができます。

境界線(バウンダリー)について分かりやすく伝えている漫画を見つけました!

ガタガタの境界線と心理療法の話。

引用:x(三森みさ@書籍準備準備中)

♦︎小さな「自己決定」を積み重ねる

「自分の人生は、自分で決める」という意識を持つことが、自己主導性を回復する第一歩です。

今日から、小さなことでも自分で決定することを実践してみましょう。例えば、「今日のランチは何にしよう」「週末は何をして過ごそう」など、些細なことからで大丈夫です。

自分の意志を尊重し、自分の決定に基づいて行動することで、すこしずつ自信が生まれ、自己受容が進みます。

また、自分が大切にしている「価値観」を定期的に見直すことも有効です 。家族、友人、仕事、趣味など、自分にとって本当に大切なものを明確にすることで、外部からのプレッシャーに振り回されず、自分自身を肯定的に受け入れやすくなります。

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「鏡を見るのが辛い朝」は、新しい自分に出会うチャンス

もし、ふと心に「私なんて…」という声がよぎったら、思い出してください。

「ありのままの私で、大丈夫。」

あなたの人生は、誰かの基準に合わせるためにあるのではありません。

これまでの道のりは、あなただけの尊い足跡です。人生のこの時期だからこそ、他者の評価ではなく、ご自身の内なる価値観を羅針盤にしませんか?

完璧を追い求める必要はありません。飾らないあなたの中にこそ、真の美しさが宿っています。

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筆者あとがき📚

「今日も顔がむくんでいる…」「この、顔のお肉が憎い…」「シミが増えてきた…」

私自身も、外見についての悩みは尽きません。20代で全身脱毛、顔のホクロ取り…35歳での歯科矯正。色々と努力を重ねてきました。それでも、鏡を見るたびに新たな「気になる部分」を見つけては、ため息をつくことも。

「自分を好きになるためには努力も必要。でも、外見だけを磨いても、心が満たされないのはなぜだろう?」

そんな風に感じた時、もしかしたら内側、つまり「考え方や在り方」を見直すことも必要なのかな?と気づいたんです。

もちろん、外見を磨く努力は大切です。それが自信につながり、内面から輝き出すきっかけになることもありますよね。私も、デジタルデトックスや自身の身体に感謝する習慣は、日常で取り入れやすく、現在進行形で行っています。

でも、それだけで全てが解決するわけではない。かといって、外見のケアを全く諦めるのも違う。そう、要は「バランス」なのだと、今は感じています。

外見を整えることで心が上向きになることもあれば、内面が満たされることで、自然と表情が明るくなり、それが外見の魅力につながることもあります。どちらか一方だけでは、本当の「私らしさ」は育たない。外見と内面は、互いに影響し合い、どちらも大切にすることで、より豊かな自分になれる。これが、私自身の正直な気づきです。

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今回の記事が、あなたが「鏡を見るのが辛い朝」から抜け出し、内側から輝く「私らしい」未来を力強く歩み出すための一歩になりますように。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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あなたの「私らしい」道を、KOKORO保健室で。

今回の記事で、あなたの心が少しでも軽くなっていたら嬉しいです。

もし今、「外見コンプレックスから解放されて、もっと自分らしく生きたい」「ありのままの自分を受け入れたい」と感じているなら、『KOKORO保健室』にいらしてください。

『KOKORO保健室』では、今回お伝えした「セルフ・コンパッション」や「自己受容」を深めるワーク、そして「自分軸」を見つけるカウンセリングを通して、人生の後半戦をより「自分らしく」過ごせるような支援も行っています。

1人では、なかなか実践しづらいものです。抱え込まずに、あなたの心の声を聞かせてくださいね。

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参考文献

・ユング『人生の正午』
・クリスティン・ネフ『セルフ・コンパッション』
・その他、本記事で引用した心理学研究、学術論文複数あり

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下地まいこ
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