克服法

ミッドライフクライシスと空の巣症候群

ミッドライフクライシス解消に向けてのオンラインカウンセリングルーム「KOKORO保健室」のブログへようこそー

本日の内容は「空の巣症候群」をテーマにお届けします。

私の運営する「KOKORO保健室」では、ミッドライフクライシス世代の女性から様々な悩みをお伺いします。

実は、その中でも特に多いお悩みの一つが『空の巣(からのす)症候群』です。

『空の巣症候群』とは何か。どのような対処法があるのかについて考察します。

『空の巣(からのす)症候群』とは

この記事は、2024年5月5日(子どもの日🎏)に書いています。

GW真っ只中の本日。公園や街中に溢れる元気な子どもたちの嬉しそうな姿は、みているだけで幸せになります😊💗悠々と空を泳ぐこいのぼりの光景も、ほのぼのとしますね。

一方、今まさに『空の巣症候群』に悩んでいる方のお気持ちとしては、かつての我が子や共に過ごした日々を思い出すきっかけになったりと…複雑な心境になることもあるのではないでしょうか。

特に生活環境が大きく変わりやすい3月から5月頃は、不安感をより一層抱えやすくなります。

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【空の巣(からのす)症候群】とは?

子どもが自立し家を離れた後に親が感じる寂しさや喪失感を指し、多くの方が抱える重要な問題。

『空の巣症候群』に悩む方の心境としては、寂しさや喪失感はもちろん、子どもがいなくなった後の自宅の静けさに圧倒されることがあるそうです。これまで生活の中心であった子育てが終わり、自分自身の存在意義や役割、これからの生活の目的しいては人生の目的について分からなくなることもあります。

また、子どもの安全面の心配や巣立った先(一人暮らし・就職・学校・新婚生活など)で頑張っていけるかどうかの不安を過剰に抱えてしまっていることが少なくありません。

もちろん、子どもが巣立っていく際に、親として子どもの安全や新たな環境での適応に対する心配は自然なことです。しかし、アドラー心理学における「課題の分離」の概念を考えると、親が不安や心配を過剰に抱える必要はないのです。

「課題の分離」による自由な生き方へのシフトーミッドライフクライシス解消に向けてのオンラインカウンセリングルーム「KOKORO保健室」のブログへようこそー 本日の内容は、「他...

そもそも子ども自身の生活や課題は、子ども自身が主体的に対処すべきものであり、親がすべてをコントロールまたは解決すべきではないのです。

「自己評価の低下」と「アイデンティティ」

子どもの自立は、親として立派に役割を果たした証であり、本来は喜びと誇りを強く感じるべきです。そして長年にわたり子育てに尽力してきた自分自身を賞賛し、これから始まる新たな自由な生活を心から楽しむチャンスであるはずです。しかし、現実には多くの女性が『空の巣症候群』に直面し、この大きな変化を苦痛と感じてカウンセリングを訪れます。

KOKORO保健室で『空の巣症候群』に陥っている方に共通すること。

それは、「自己評価の低下と「アイデンティティの喪失です。

自己評価の低下とは?

この場合の、自己評価の低下とは、具体的に以下のような感情をいいます。

  1. 無価値感 – 子育てが生活の中心であった親が、その役割が減少することで、自分自身の存在価値を問い直すことがあります。自分がもはや必要とされていないと感じることで、自己の価値を低く評価してしまうことがあります。
  2. 無力感 – 子どもが自立し、親としての日常的な影響力が薄れると、自分の影響力や能力に対する自信が失われることがあります。これは自己効力感の低下にも繋がり自分の行動が意味を成さないと感じることがあります。
  3. 目的の喪失 – 子育てを通じて明確な目的を持っていた親は、その目的がなくなると、自分の人生の意味や方向性を見失うことがあります。
  4. 孤立感 – 子育てを通じて築かれた社会的なつながりやコミュニティとの関係が変わると、社会から切り離された感じを受けることがあります。これは自分が社会の一員としての役割を失ったと感じることにつながります。

アイデンティティの喪失とは?

子育てを経験された多く方は、自己のアイデンティティの大部分を「母親」としての役割で定義しています。

アイデンティティとは、自己が認識する自分自身の像、つまり「自分はどのような人間であるか」という自己理解のことを指します。子供が家を離れると、この日常的な役割が不要になるので、自分自身のアイデンティティを見直す必要が生じます。

しかし、自分の存在価値を子育てに見出し過ぎていた場合、アイデンティティ自体を喪失してしまうのです。ある意味、子どもに精神的に依存してしまっていた結果です。

(似たような状況として、男性が仕事だけに自身の存在価値を見出し過ぎてしまい、定年退職後にアイデンティティを喪失することもあります)

母親として「必要とされている」という感覚が薄れることで、自己評価が極端に低下してしまい、自分がこれからどう生きていけばよいかさえ分からなくなるのです。

『空の巣症候群』から克服するには?

克服の鍵は、低下してしまった「自己評価を高める」とともに、「失ったアイデンティティを再び取り戻す」ことです。

そもそも大前提として、たとえ誰からも必要とされなくても、自分の存在意義を自分で認める必要があります。人はしばしば、他人からの承認や評価に自分の価値を依存させがちですが、人は存在するだけで意義があるはずです。自分で自分の存在を認めることを「自己受容」と言います。

強い自分も弱い自分も、全て自分であり、それでいいんだと丸ごと受け入れるのです。自己受容力を高めるためには、「母親」としてのあなたではなく、1人の女性として本来のあなたの興味関心ごとをこの機会に振り返ってみることをお勧めします。

・あなたが心から楽しいと思うことは何ですか?
・ずっと挑戦したいと思っていた目標や夢は、ありませんか?
・子育てがあったので諦めたことはありませんか?
・行きたい場所や見たい景色はありませんか?

自分が興味関心を感じる事柄に時間を割くことで、毎日の生活に新たな喜びと目的をもたらすことで「自己評価」を高め「アイデンティティ」の再確立を目指すのです。

自分の興味に基づく活動に時間を割くことで、「やればできる!」という自己効力感が高まり、成功体験を通じて自己評価が向上します。情熱的に取り組むことで日々の生活に意味と喜びをもたらし、アイデンティティの再確立を促します。また、新しい興味や趣味は自己探求の機会を提供し、同じ興味を持つ他者との社会的つながりを強化することで、自己価値の再確認と社会的な役割の再確立に寄与します。これらのプロセスは、より充実した人生を送るための基盤を形成します。

もしかしたら最初は考えても思いつかないかもしれません。けれど焦らずに、しっかり考えてみてください。少しでも、興味が持てることを見つけたら迷わず行動にうつしてみましょう。トライandエラーの軽い気持ちで、多くのことにチェレンジしてみてください。

例えば・・・
・ダイエットをして美容や健康に気を使う
・ペットを飼ってみる
・仕事やアルバイトをしてみる
・語学や学問、パソコンを学ぶ
・家の中を断捨離して快適に暮らす
・旦那さんとの関係性を見直す
・起業・副業・投資を行ってみる
・海外に留学する
・サークル活動に参加する
・ボランティア活動をする
・思いきり旅行やグルメを楽しむ

新しい目標や夢、関心ごとは生活に張りを与えてくれます。本来のあなたが心から夢中になれるものと出会ったとき、きっと毎日は充実したものに変化します。現在抱えている寂しさなどのネガティブな感情を忘れさせてくれるはずです。

これまで子育てに尽力してきたあなたが、『空の巣症候群』を乗り越え、本来の自分自身と向き合いながら、今後の人生をより自分らしく楽しく送ることは、何よりもお子様にとって喜ばしいことではないでしょうか?😊

ミッドライフクライシス解消に向けてのオンラインカウンセリングルーム「KOKORO保健室」では、この世代に多い悩みである『空の巣症候群』のご相談も対応いたします。

カウンセリングを通して、感情や思考を整理することが出来ます。
そして、自己受容力を高め、どうしたら今後のあなたの人生をより謳歌できるかを一緒に考えていきましょう。

1人で悩まずに、ぜひお気軽にご連絡ください。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。