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本日の内容は、「他人の期待に左右されない考え方」についてです。
ミッドライフクライシスを乗り越えるために、アドラー心理学の「課題の分離」が有効です。アドラー心理学は、大ベストセラー「嫌われる勇気📘」で話題になりました。「課題の分離」は、自分の課題と他人の課題を区別し、自立した生活を送る際に必要な概念です。この概念・思考法を身に付けると、他人の期待に左右され過ぎず、より自己実現が図りやすくなります。
「課題の分離」とは?
仕事、家庭、健康、老後の準備といった多岐にわたる課題が山積みになり、自己実現のチャンスと同時に、心理的な試練も伴うミッドライフクライシス世代。なるべくは、他人の顔色や期待に左右されず、自分の感情に素直に生きていきたいものです。
(有限であるエネルギーを、自分の課題にだけ集中させる)
精神科医アルフレッド・アドラーによって提唱された心理学が、アドラー心理学です。大ベストセラーになった「嫌われる勇気📘」でお馴染みです。
アドラー心理学では、「課題の分離」という概念が重要な役割を果たします。
「課題の分離」について
「課題の分離」とは、自分の問題と他人の問題を明確に区別することです。
自分は他人の課題に踏み込まない。そして、他人も自分の課題に踏み込ませない。自己決定性(自分の人生を生きる)において、重要な考え方となる。
例えば、あなたが上司の厳しい期待に応えようとして過労になっている場合、「課題の分離」を用いると、上司の要求があなた自身の健康や幸福に及ぼす影響を客観的に評価できます。この概念を活用して、「上司の期待に応えること」と「自分の健康を守ること」のどちらが自分の課題かを見極めることができます。自分の健康を優先する決断は、自分自身の課題に焦点を当て、他人の問題に過剰に反応することなく、バランスの取れた対応を可能にします。
ではこの場合、上司の課題は何でしょうか?
上司の課題は、部署やプロジェクトの目標を達成し、効率的にチームを管理することです。上司が厳しい期待を設定するのは、そのような目標に対する責任から来ています。この場合、部下に対する期待の管理やチームのパフォーマンスを最大化する方法を見つけることが上司にとっての主な課題となります。
あなたが必要以上に、上司の期待に応えようとし過ぎることは良くありません。
上司の課題を自分のものとして過剰に背負うことは、ストレスの増加、自己犠牲、依存関係の形成、自己効力感の低下、そして職場での人間関係の悪化といったデメリットをもたらす恐れがあります。これが精神的および身体的健康への悪影響、自己成長の妨げ、ワークライフバランスの乱れ、キャリア成長の阻害、充実性や楽しみのはく奪、そして職場での不和を引き起こす可能性があるためです。
「自己受容」と「自己責任」を通じた課題の分離の実践
「課題の分離」を効果的に行うためには、自己受容と自己責任の境界をしっかりと設定し、維持することが不可欠です。これは、自分自身の感情や反応は自分自身がコントロールできる内部の課題であり、他人の感情や行動は自分のコントロールを超えた外部の課題であると理解することから始まります。この境界を明確にすることで、他人からの影響を受けずに自己決定性が育まれ、自分自身と他人を健全にサポートすることが可能になります。
自己受容とは
ここでいう「自己受容」とは、自分自身の完全性、長所と短所を含めて、そのままの自己を受け入れる心理的な態度です。これには、自分の過去の選択、現在の状況、そして未来の可能性を理解し、批判や否定をせずに受け入れることが含まれます。自己受容を実践することで、自己批判や内面の否定感情が減少し、自己価値感が向上します。これにより、自信を持って決断を下し、自分の強みを活かして挑戦に取り組むことができるようになります。自己受容は、自己改善の基盤となると同時に、精神的な健康と幸福感を増進させる重要な要素です。
自己責任とは
ここでいう「自己責任」とは、自分の行動、選択、感情の結果に対して責任を持つことを意味します。これは、自分の人生の状況や結果が他人や外部の環境によってではなく、自分自身の選択によって大きく影響されると認識し、それに対して積極的に取り組む態度です。自己責任を取ることで、被害者意識を減らし、より能動的で自立した行動が可能になります。また、自己責任を自覚することは、問題解決能力を向上させ、目標達成に向けて自分自身を効果的に動かす力を養うことにもつながります。
「課題の分離」を理解し適用することは、自己受容と自己責任の実践に欠かせないプロセスです。自己受容によって自分自身をありのままに受け入れることができれば、自分と他人の課題を明確に区別する力が養われます。これにより、自己責任を取る際の動機付けが明確になり、自分の課題に対してより効果的に対応するための具体的な行動を取ることが容易になります。このようにして、課題の分離を実践することで、自分自身の成長を促し、人生をより意味あるものにするための確固たるステップを踏み出すことができます。課題の分離は単なる理論ではなく、自己実現への道を切り開く実用的なツールなのです。
他人からどう思われているかを気にし過ぎると、絶えず周囲の意見や評価に合わせて、不自由な生き方を強いられることになります。
ミッドライフクライシス解消に向けてのオンラインカウンセリングルーム「KOKORO保健室」では、ワークやカウンセリングを通して、あなたの身近に起こった事柄を通して自分の人生を振り返り、「課題の分離」の練習を行います。
すぐには実践できなくても、少しずつ「課題の分離」の考え方を生活の中で取り入れることで、より人生が充実していくと思います。
本日もお読みいただきありがとうございました🌈