考え方

ミッドライフ世代に必要な「適正リスク」とは

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こんにちは。

本日は訪れてくれて、ありがとうございます!

筆者について

私は、公認心理師の下地まいこと申します。
オンラインカウンセリングルーム『KOKORO保健室』を運営しています。

特に、30代後半から50代の女性が直面する心の揺らぎや人生の岐路「ミッドライフクライシス(中年期危機)」を専門としています。

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📍【note】も、やってます!😉💖

読者の皆さまは、「適正リスク」について考えたことはありますか?

リスクというと、多くの人は「避けるべきもの」と考えがちです。
けれど、実はリスクをまったく取らないこと自体が、大きなリスクになることもあります。

特に、人生の折り返し地点に立つミッドライフ世代にとってはなおさらです。
守るべきものが増え、安定を重んじる気持ちが強まる一方で、「変わらないこと」が思わぬ危うさを生むこともあるのです。

一体どういうことなのかでしょうか?


今回は、ミッドライフ世代にとっての「適正リスク」とは何か?一緒に考えてみたいと思います。

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「リスクを取らざるリスク」とは?

「挑戦しないこと」ほど危険な選択はありません。ミッドライフ世代の私たちにとっての最大のリスクは、挑戦そのものではなく、挑戦しないことにあるのではないでしょうか。

資格取得や転職、新しい趣味や人間関係…チャレンジしたい気持ちがあっても、不安や失敗の可能性を恐れて動けずにいる。

その結果、何年も同じ状況にとどまり、気づけば健康や人間関係を損なってしまうことすらあります。

これこそが「リスクを取らざるリスク」

安全に見える道が、実は最も危険をはらんでいるのです。

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「損を避けたい」という人間の心理

心理学では、人は「得をする」よりも「損をしない」ことを強く優先する傾向があると言われています。これを損失回避バイアスと呼びます。

せっかく手に入れたものや慣れ親しんだ環境を手放すのは怖いですよね。死守したい!!と思う、その気持ちは自然なことです。

しかし―「守る」「保持する」ことだけに意識が偏ると、いつのまにか本末転倒になっていることがあります。

健康や心の自由を犠牲にしてまで現状維持にしがみついている場合、それは本当に「リスク回避」と言えるのでしょうか?

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ミッドライフ世代が「適正リスク」を考えるべき理由

30代後半から50代は、心身・家庭・仕事・人間関係…すべてが大きく変化する時期です。
この時期に「リスクを避けることだけ」を選び続けると、逆に人生の停滞や後悔につながることがあります。

中年期以降、こんなリスクが想定されます。

健康と心のリスク


「運動は苦手だから」「新しい食事法は続けられなさそうだから」と何もせずに過ごすと、気づいたときには体力が落ち、ちょっとした不調が長引くようになります。
たとえば、40代で運動不足を放置すると、50代で糖尿病や高血圧といった生活習慣病を発症するリスクが高まります。心の面でも、変化を避けることで停滞感や行き詰まりを実感し、気分の落ち込みが長引きやすくなります。

人間関係のリスク


「誘われても疲れるから…」「どうせ分かってもらえないから…」と人付き合いを避け続けると、気づけば周囲とのつながりが薄れ、孤独感が強まります。

孤独はストレスやうつ病のリスクを高め、寿命にも影響するという研究結果もあります。

キャリアや学び直しのリスク


「今の仕事でなんとかなっているから」「新しいことを学ぶのはもう遅い」「お金がかかるから…」と挑戦を避けると、時代の変化についていけず、キャリアが行き詰まることもあります。
たとえば、デジタルスキルや変化する時代に必要な知識や技術を学ばずにいると、職場の変化に対応できず、自信を失ってしまう人も少なくありません。

後になって「なぜあのとき一歩踏み出さなかったのだろう…」と後悔する声もよく聞かれます。居ても立っても居られない状況になり、「KOKORO保健室」を訪れたと、多くのご相談者様はおっしゃいます。

適正リスクを取る3つの心のレッスン

ミッドライフ世代の私たちが「安全すぎる道」を歩まず、ちょうど良いリスクを取るための3つのレッスンをお伝えします。

心のレッスン1:小さな挑戦を重ねる

ミッドライフ世代にとって、「リスクを取る」と聞くと、転職・起業・大きな投資などの大きな決断を思い浮かべがちです。けれど、それらは準備や覚悟が必要で、現実的には躊躇してしまうもの。

だからこそ大切なのが、「毎日の小さな挑戦」です。小さな挑戦は、心に負担をかけすぎず、それでいて確実に自分を変えてくれます。

たとえば、

・これまで行ったことのない美容室やスタイルに思い切って変えてみる
・料理で普段使わないスパイスや食材を試してみる
・数分だけ筋トレアプリを使ってみる(腕立て5回でもOK)
・職場や地域で「世代の違う人」に自分から話しかけてみる
・普段は聞かない音楽ジャンルをBGMにして一日過ごしてみる
・興味はあったけれど避けてきたSNSやAIツールを、試しに1投稿・1操作だけしてみる
・旅行ではなくても「近場のホテルでひとりランチ」など、ミニ非日常を体験してみる

こうした小さな「非日常」を重ねることで、脳は新しい刺激を受け、自然と柔軟性を取り戻していきます。

心理学的にも、ほんの少しの日常の変化は自己効力感(できるという感覚)を高める効果があります。自己効力感が積み重なると、「これならもう少し挑戦してみても大丈夫かも!?」という気持ちが育ち、やがて大きなチャレンジに向かう土台になります。

「小さな挑戦」は未来の自分への投資であり、適正リスクをとるための第一歩なのです。

心のレッスン2:適度な不安を味方にする

「不安」というと、多くの人はできるだけ避けたい感情だと感じますよね。

けれど心理学の「ヤーキーズ=ドットソンの法則」では、人は緊張や不安がまったくない状態よりも、「できるかどうか五分五分」くらいの課題に直面したときに最も集中力を発揮し、成長につながると言われています。

「少し不安」「ちょっと怖い…」と感じる挑戦は、脳内のアドレナリンを分泌されて集中力を高めます。また、ドーパミン分泌がやる気を後押ししてくれます。この脳内ホルモンの発生こそ、停滞感にとらわれがちなミッドライフ世代の心を刺激し、常に若々しくいられる秘訣になるのです!

たとえば、ミッドライフ世代なら、こんな挑戦が「適度な不安ゾーン」にあたります。

・「今さら遅いのでは」と不安に感じながらも、興味のあった資格や学び直しに申し込んでみる
(合格できるかは五分五分、でも挑戦すれば未来の可能性が広がる!)

・既存の人間関係ばかりに頼らず、新しいコミュニティや場に参加してみる
(場に溶け込めるか不安、でも行ってみれば新しい出会いや刺激が得られるかも!)

・運動は苦手で長年避けてきたけれど、散歩やプールで軽く泳ぐことなら…、と始めてみる

(続けられるか半信半疑、でも始めれば体力も自信も少しずつ積み重なっていく!)

・騙されそうで不安だけど…副業や投資に興味があるから、まずは自分で情報収集
(「自分には関係ない話かも」と思って始められなかったものの、未来の収入源になる可能性も!)

何かを始めるとき、「うまくいくかどうか分からない…」「続けられるか自信がない…」という不安がつきまといますが、そこに飛び込むことで、心は様々な刺激を受け、まだまだ成長し、自分でも驚くような可能性が広がっていくかもしれません。

逆に、不安を避けてばかりいると、「現状維持が一番安全」という思い込みに縛られてしまいます。しかし実は、それこそが「リスクを取らざるリスク」なのです。挑戦しないことによる停滞や後悔のほうが、人生100年時代と言われる長い人生では大きなリスクになりかねません。

適度な不安を受け入れて行動する―それが、ミッドライフ世代が人生の停滞感を破り、新しい一歩を踏み出すきっかけになるのです。

その一歩は、本当に小さくても構わないのです。

心のレッスン3:自分の資源を見極めて活かす

リスクを取るといっても、無計画に大きな挑戦をするのは「無謀なリスク」です。大切なのは、自分がこれまで培ってきた資源を正しく把握し、それを土台にして挑戦することです。

ここでいう資源とは、「体力・お金・時間・人脈・経験・知識」など、これまでの人生の中で積み重ねてきたものすべてを指します。

たとえば、

・若い頃に比べて体力は落ちても、経験や判断力は格段に増している

・子育てが一段落して、自由に使える時間が少し増えた

・職場や地域で築いた人脈を、新しい学びや仕事のきっかけにできる

・貯金の一部を資格取得や学び直し・投資などに回すことで、未来の収入源を育てられる

このように、自分の資源を棚卸ししてみると、案外「中年期の今だからこそできる、リスクの取り方」が見えてきます。

適正リスクとは、「無謀ではないけれど、安全すぎない」ちょうどよい挑戦のこと。

資源を土台にすれば、恐れすぎる必要はなくなりますし、「これならやれる!」という安心感も持てます。

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「守るために、変わる」

ミッドライフ世代にとっての目的は、仕事に限らず、心身ともに健やかに人生を続けていくこと=生き残ること

そのためには、現状維持に固執せず、時に「適正リスク」を取りながら柔軟に変化していくことが欠かせません。

守るためにこそ、変わる。

それが、ミッドライフ世代がよりよく生き続けるための戦略ではないでしょうか😊

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筆者あとがき📚

今回の記事を書きながら思いました。そもそも、生きているだけでリスクだよね…って。

だって、今日や明日、突然この命は終わるかもしれない。交通事故に遭う可能性だってある。仕事で大大大失敗するかもしれない。自分の大切な人が去っていくかもしれない。災害に見舞わるかもしれない。

-落ち込んだり悩んだりしたとき、私たちは、ついつい、この平凡でつまらない日々が永遠に続くことに嫌気を感じ、何かいい事でも起こらないかな?…なんてことを思ったりするものです。けれど、生きていること自体がすでに大きなリスクであり、それは当たり前ではないんですよね。

この人生はいつか終わる。それは、この世で唯一、確定していること。

生されている毎日に感謝し、思い切り!自分らしく有りたい。自分らしく働きたい。大切な人の、大切な存在でありたい。毎日を笑顔で過ごしたいー

その為にはやはり、時には「適正リスク」を積極的に取り、少しでも自らの人生を輝かしいものにする努力や勇気が必要ではないか!?

改めて、いま、そう感じます。

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今回の記事が、ご自身の人生、そして「適正リスク」を見つめ直すきっかけになれば嬉しいです。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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あなたの「私らしい」道を、KOKORO保健室で。

もし今、「現状を変えたいけれど不安で動けない」「挑戦したいけど、一歩が踏み出せない」と感じているなら、『KOKORO保健室』にお問い合わせください。

『KOKORO保健室』では、自己理解ワークや未来の選択肢を整理するカウンセリングを通して、人生の後半戦をより「自分らしく」過ごせるような支援を行っています。

1人では、なかなか実践しづらいものです。抱え込まずに、あなたの心の声を聞かせてくださいね。

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