ミッドライフクライシス解消に向けてのオンラインカウンセリングルーム「KOKORO保健室」のブログへようこそー
こんにちは。当ブログを訪れてくださり、ありがとうございます。
私は、公認心理師の下地まいこと申します。オンラインカウンセリングルーム『KOKORO保健室』を運営しています。特に、30代後半から50代の女性が直面する心の揺らぎや人生の岐路に寄り添うことを得意としています。中でも「ミッドライフクライシス(中年期危機)」に特化したサポートを行っています。
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「このままの人生で本当にいいのか?」
「本当の自分とは何なのか?」
40代~50代を迎える頃、多くの人がこうした問いに直面します。これは単なる悩みではなく、「アイデンティティの再体制化」とも言える心理的なプロセスの一部です。
このテーマについて、広島大学名誉教授である岡本祐子先生は、著書『中年からのアイデンティティ心理学(成人期の危機と発達)』の中で、「中年期のアイデンティティの再体制化のプロセス」を4つの段階に分けて説明しています。
今回は、その4段階を分かりやすく解説しながら、ミッドライフクライシスをどう乗り越えればよいのかを考えていきます。
ぜひ、最後までお読みください🍀
アイデンティティとは…
「自分とは何者か」、「本当の、正真正銘の自分とは何か」ということを意味する。
引用:『中年からのアイデンティティ心理学(成人期の危機と発達)』岡本祐子著
まず、今回のテーマの理論的な基盤となる岡本祐子先生について、ご紹介します。
岡本祐子(おかもと ゆうこ)先生 は、広島大学の名誉教授であり、発達心理学を専門とする心理学者です。特に、成人期・中年期の心理的発達やアイデンティティの変容 に関する研究をされており、ミッドライフクライシスやライフステージの変化について深く研究されています。
著書 『中年からのアイデンティティ心理学(成人期の危機と発達)』 では、中年期におけるアイデンティティの変化を、4つの段階に分けて説明し、「ミッドライフクライシスがどのように発展し、乗り越えられていくのか」を詳しく解説されています。
Contents
中年期のアイデンティティ再体制化の4段階
岡本先生によると、ミッドライフクライシスは 「アイデンティティの再体制化」 のプロセスとして、次の4段階を経て進んでいきます。
第1段階:身体の変化を意識し、危機感を抱く時期
中年期に入ると、多くの人が体力や健康の衰えを実感し始めます。
「最近、疲れが取れにくくなった」
「若い頃のように無理がきかない」
「体型が変わってきた」
こうした身体的な変化は、「もう若くはない」という現実を意識させ、これまでの生き方を見直すきっかけになります。
📌 この時期に感じやすいこと
✅ 体力や健康の衰えを実感する
✅ 老いや死に対する漠然とした不安
✅ 「時間には限りがある」と気づく
多くの人は、この気づきの段階で、焦りや無力感、抑うつ感などを体験します。
第2段階:人生の振り返りと再方向づけの模索期
この段階では、「自分の人生はこれでよかったのか?」と、これまでの選択を振り返るようになります。
📌 この時期に感じやすいこと
✅ 仕事や家庭に対する違和感や満足感の低下
✅ 「本当の自分」とは何かを考え始める
✅ 人生の総決算が迫っているという意識が強くなる
この時期は 「アイデンティティの揺らぎ」 が起こりやすく、不安定な気持ちになりがちです。「もう遅すぎる」「もう間に合わない」と焦る一方で、「まだやれる」という前向きな気持ちも共存するのが特徴です。
しかし、この迷いや葛藤は決して無駄ではありません。むしろ、次のステップへ進むための大切な準備期間なのです。
第3段階:軌道修正・軌道転換期
ここでは、「今後の人生をどう生きるか?」という第2段階での「問い直し」や模索に対して、実際に行動を起こし始める時期です。
📌 この時期に起こりやすい変化
✅ 転職・独立・キャリアチェンジ
✅ 人間関係の変化(離婚、子どもの巣立ち、親や友人の死、新しい出会いなど)
✅ 新しい価値観に基づいたライフスタイルへの移行
大きな決断をする人もいれば、少しずつ小さな変化を積み重ねる人もいます。どちらにせよ、「自分らしく生きるための軌道修正」と捉えることが大切です。
第4段階:アイデンティティの再確立期
新しい生き方を選び取り、それが自分にとってしっくりくるようになると、「自分らしさ」を取り戻し、精神的な安定感が生まれます。
📌 この時期の特徴
✅ これまでの人生に対する納得感・肯定感が生まれる
✅ 他人の評価よりも、自分の価値観を重視するようになる
✅ 「これからの人生を自分らしく楽しもう」と思える
この状態に達すると、「人生の再構築」が完了 し、ミッドライフクライシスを乗り越えたと言えるでしょう。